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インタフェースシステム学
ーあらゆる境界を越えていくー

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研究メンバー

教授  五福 明夫(Akio Gofuku)
准教授 亀川 哲志(Tetsushi Kamegawa)
助教  下岡 綜(So Shimoka)
研究室Webサイト:https://www.mif.sys.okayama-u.ac.jp/

人間が機械装置やロボットを自由自在に操作するためには、人間の意図を装置に伝え、また装置の状態を人間に伝えるヒューマン・マシン・インタフェースが重要です。本教育研究分野では、大規模な工業プラントや様々なロボットを対象に、使い易いインタフェースや間違った操作をしないように運転員や操作員を支援する手法を研究しています。また、人の代わりに被災した建物の中に入って中の様子を探るレスキューロボット、生物のヘビをまねたヘビ型ロボット、球状の回転子を任意の回転軸周りに回転させる球面モータなどの研究・開発も行っています。さらに、医療の高度化や効率化のための医療支援システム、柔軟空気圧アクチュエータとそのリハビリテーションへの応用の研究も行なっています。

機能モデルに基づいたプラント緊急時のレジリエントな対応操作計画に関する研究

大規模な工業プラント(原子力発電所や化学プラントなど)では、想定される様々な異常事象に対して事前に運転操作手順をマニュアル化しておいて、それらの事象が発生した場合には運転手順書に従って適切に対応操作を行います。しかしながら、想定外の事象が発生した場合には、運転員はプラント状態に応じた適切な対応操作を計画して実施する必要があります。本研究では、プラントを構成する機器や装置の役割や設計意図を表現できる機能モデルやレジリエンス・エンジニアリングの概念に基づいて、想定外の異常事象が発生した場合に、工学プラントを安全な状況に移行させるための対応操作手順の候補を生成して選択する手法を研究しています。

機能モデルに基づいたプラント緊急時のレジリエントな対応操作計画に関する研究
機能モデルに基づいたプラント緊急時のレジリエントな対応操作計画に関する研究

球面モータに関する研究

通常用いられているモータは、直線的に動作するか1つの回転軸周りの回転しかできません。これに対して、球面モータでは、球状の回転子を任意の軸周りに回転させることができます。球面モータを用いれば、様々な動きを少数のモータで実現することができ、動作精度やエネルギー効率の向上が期待されます。本研究では、球面モータの回転子の回転制御手法、回転子の姿勢計測手法や、発生回転トルクを伝達するための球面減速器の研究を行っています。また、移動台車、撹拌器などへの球面モータの応用を検討しています。

球面モータに関する研究
球面モータに関する研究

複雑環境を移動するヘビ型ロボットの研究

生物の蛇は、ひものような単純な形状でありながらあらゆる環境に適応して生息しており、これを工学的に再現することができれば、あらゆる環境を移動できるヘビ型ロボットが実現される可能性があります。そのため、ヘビ型ロボットは工場の配管設備の点検や検査、また、狭隘な環境を探索する災害対応ロボットとして応用することなどが期待されます。これまでの研究で、3次元空間を運動するヘビ型ロボットのプロトタイプを製作しその冗長性を生かして、多様な移動形態を実現してきました。特に配管内を調査するヘビ型ロボットにおいて螺旋捻転運動を応用する研究をしています。現在は、より複雑な環境で移動できるヘビ型ロボットの実現を目指して、ロボットの得る触覚などのセンサ情報を元として体の動きを自動生成するためのアルゴリズムに関する研究も行っています。

複雑環境を移動するヘビ型ロボットの研究
複雑環境を移動するヘビ型ロボットの研究

災害対応レスキューロボットの研究

阪神淡路大震災や東日本大震災などの大規模災害が発生した際の活動において、レスキュー隊員などが2次災害に巻き込まれるのを防ぐため、ロボット技術を応用することが期待されています。レスキューロボットの研究開発要素は、瓦礫などの複雑環境を移動するための移動機構、オペレータへ情報を提示してロボットの操作性を向上させるためのインタフェース、オペレータの負担を軽減するためのロボットの自律性に関するアルゴリズム、複数の要素技術を統合するためのロボットのシステム構築など、多岐にわたります。本研究室では特に、複数台のロボットを運用するためのシステム開発や、階をまたいで建物内を自動巡回する自律移動アルゴリズムの開発、HMDを装着したオペレータに3次元の環境データを提示して遠隔操作性を向上させる研究などを行っています。

災害対応レスキューロボットの研究
災害対応レスキューロボットの研究

CTガイド下針穿刺ロボットの開発 (適応学習システム制御学研究室と共同実施)

近年では、医療用に作られた専用の針を刺すだけでがんの検査や治療をする手技が広く行われるようになってきました。従来の手術に比べ、針が通るだけの傷ですむので、患者さんへの負担も小さく非常に有用です。この手技では、針を体に刺す(穿刺する)場合に、危険な臓器に針がささらないように、CTで体の中を透視して、針とその周囲の状況を確認しながら穿刺を行います。そのため、放射線科の医師が日常的にCTのX線で被ばくをするという大きな問題があります。そこで、医師が被ばくしないように、ロボットを遠隔操作して針穿刺を行うシステムを開発しています。医師の被ばくがゼロで穿刺を行うロボットという意味でZerobotという名前をつけています。これまでの研究開発により、医師がこのロボットを遠隔操作することで医師の被ばくを防ぎつつも精度よく針をターゲットに対して穿刺できることを実証してきました。2018年には、岡山大学病院で実際の患者さんに対してこのロボットを使うまでに至っています。

CTガイド下針穿刺ロボットの開発
CTガイド下針穿刺ロボットの開発

仮想現実感(VR)技術の医療応用

仮想現実感技術(Virtual Reality Technology)は、コンピュータが作り出す仮想空間をあたかも本物のように見せたり扱ったりすることができます。本研究室では、VR技術を1)特殊な疾患の治療および2)医療従事者などへの教育への応用研究を、岡山大学病院などと連携して進めています。前者は、骨折などが医学的には治癒したにもかかわらず、痛みが時間的に強くなって慢性化する複合性局所疼痛症候群の治療のための鏡の箱の中で健全側の動きを鏡を通して見ることにより疼痛側があたかも自在に動く錯覚を与えることで痛みを緩和する鏡療法に対して、VRを適用した鏡療法システムを開発しています。また、新型コロナウィルス感染症で問題となっています手指衛生に関して、医療従事者などへの教育のためのウィルスの付着の視覚化システムを開発しています。

高齢者のQOLを高める嚥下評価・訓練支援システムの開発

摂食嚥下機能は、日常生活において欠かせない機能の一つであり、高齢化によりその機能は一般に低下します。しかも、摂食嚥下機能の破綻は生活の質(QOL)に大きな影響を与えます。嚥下機能の低下が進むと、誤嚥や窒息など生命の危機となる事故も発生する可能性があります。嚥下訓練を行うためには医療者従事者の介入が必要ですが、時間的・空間的な限度があり、今後増加する施設や在宅で生活する高齢者への対応が困難になると考えられます。 そこで本研究では、医療従事者に代わり機械によって嚥下機能を評価し、嚥下訓練の支援を行うことにより、嚥下機能低下した高齢者のより多くが食べる楽しみを維持できると考え、嚥下訓練を行うメンデルソン手技を模擬した喉頭挙上の支援を行うシステムを研究し、プロトタイプの開発を進めています。

柔軟空気圧アクチュエータとそのリハビリテーションへの応用

近年、日本の高齢化に伴い、身体能力の衰えや一時的な障害などにより生活の質(QOL)の低下を招く恐れがあります。そのため、身体能力維持や機能改善のため、リハビリテーションの需要が高まっています。そのリハビリテーションに従事する理学療法士(PT)、作業療法士(OT)が患者に対して施術を行っていますが、施術時間の制限や負担増加により十分な施術ができないという問題があります。このような状況から、自宅での自主トレーニングを患者に勧めていますが、モチベーションなどの問題から継続してリハビリテーションができないことがあります。 そこで、PTやOTの負担軽減および早期治療のための家庭でも使用可能なリハビリテーション機器の開発をめざします。また、高い伸長率と柔軟性のある伸長型柔軟空気圧アクチュエータ(EFPA )を製作し、人に優しく使いやすい機器を開発しています。さらに、開発した機器をPTやOTの方と共にリハビリテーションに関する評価を行い、機器の改良を進めています。

柔軟空気圧アクチュエータとそのリハビリテーションへの応用
柔軟空気圧アクチュエータとそのリハビリテーションへの応用

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