/ Research

知的システム計画学
ー知的に柔軟にシステムを運用するー

トップページ   研究室   知的システム計画学ー 知的に柔軟にシステムを運用する ー

研究メンバー

教授  西 竜志 (Tatsushi Nishi)
准教授 佐藤 治夫(Haruo Sato)
助教  劉 子昂 (Ziang Liu)

研究室Webサイト:http://forest.sys.okayama-u.ac.jp/nishilab

大規模システムのモデル化、解析、最適かつ安全な運用のための知的システム計画の理論と応用

ICT時代を支える基盤技術として、サプライチェーンマネジメント、スケジューリング、システム最適化、ロボティクスなどの知的システム計画に関する基礎理論と、これらに基づく新しいモデリング、最適化、人工知能手法、および大規模システムの解析、診断などの安全で最適な運用法を研究しています。

複数台ロボットシステムの最適化

近年、自動搬送システムにおけるロボットのニーズが高まっており、工場などでは組立、検査などの複雑な作業を人間からロボットへと切り替えるという試みがなされています。多品種少量生産の現場では、人手不足を補うために生産活動やロボットの導入により、作業効率が向上する一方で、ロボットを使用するためには、大きなスペースが必要となります。 そのため、ロボットの作業には省スペースが必要となることから、複数のロボットが協調して作業を行うことによる効率的な動作計画やレイアウト設計、協調動作などの実現が求められます。本研究では、複数ロボットの干渉回避やレイアウト設計などを省エネルギー性を考慮して計画するための最適化技法に関する研究を行っています。

双碗型ロボットによる搬送作業の学習と知能化

双碗型ロボットによる搬送作業の学習と知能化

搬送ロボットによるピックアッププレース作業の知能化

搬送ロボットによるピックアッププレース作業の知能化

複数台ビークルの自動運転シミュレーション

データサイエンスやAI技法と融合した最適化技法

入出力データを用いたディープニューラルネットワークによる最適化モデルの同定

近年のデータサイエンスやAIの普及に伴い、大規模データを高速に処理可能な最適化技法の開発が求められています。当研究室では、ディープニューラルネットを用いた最適化技法や強化学習と最適化の融合、入出力データからの最適化モデルの構築に関する研究を行っています。

スマートサプライチェーンにおける企業間連携と最適化のための動的モデル構成基盤

サプライチェーンとは、原材料・部品供給業者から組立メーカー、卸売業者、小売業者、最終消費者へのものと情報の供給連鎖を意味します。デジタルトランスフォーメーションの進展により、サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合した生産システムでは、顧客満足度の向上や生産性、環境負荷、リスク対応、安全性向上の観点から、製造シナリオの検証、製造製品の構成、製造作業内容の事前検討、製造作業の実行を支援する情報環境の構築に必要なサプライチェーンのモデル構成基盤の構築が必要となっています。本研究では、ゲーム理論的アプローチによる動的再構成可能なサプライチェーンの構築、およびスマートサプライチェーンにおける企業間連携と最適化のための動的モデル構成基盤構築に関する研究を行っています。

効率的で柔軟なサプライチェーンの構築

サプライチェーンの動的モデル構成基盤

進化ゲーム理論と新しい計算知能技法の開発

過去数十年間で、粒子群最適化、遺伝的アルゴリズム、差分進化、シミュレーテッドアニーリング、タブーサーチ、アリコロニー最適化など多くのメタヒューリスティックアルゴリズムが提案されています。群知能はメタヒューリスティックアルゴリズムの一種です。群知能アルゴリズムは、生物の集団的振る舞いに基づいた人工知能技術です。群知能は多数のエージェントから構成されます。一方で、 ゲーム理論は、複数のエージェントの意思決定が各エージェントの収益に影響を与える状況を分析でき、インタラクティブな最適化問題を扱うことができ、多数のエージェントの相互作用を解析するために進化ゲーム理論が用いられます。本研究では、進化ゲーム理論を用いた新しい計算知能技法の研究を行っています。

ベンチマーク関数の例

ベンチマーク関数の例

群知能アルゴリズムのエージェントが最適解に集まる様子

群知能アルゴリズムのエージェントが散らばっている様子

群知能アルゴリズムのエージェントが最適解に集まる様子"

群知能アルゴリズムのエージェントが最適解に集まる様子

安全な放射性廃棄物処分システムの構築に向けて

原子力発電所などの原子力関連施設や病院などの医療施設、大学や研究所などの放射性物質を用いる施設からは放射性廃棄物が発生し、これらは全て地中に埋設処分されます。我が国の放射性廃棄物は、高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物に区分されており、発生源や放射能濃度などに応じて、浅い方から、トレンチ処分、浅地中ピット処分、中深度処分、地層処分の、いずれかの方法によって処分されます。研究室では、特に、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究に取り組んでいます。地層処分は、300m以深の地層中に坑道を掘削し、そこにガラス固化体(廃液をガラスで固化したもの)、オーバーパック(厚い金属容器)、緩衝材(ベントナイトという粘土)からなる人工バリアを設置し、更には、地層の隔離機能により、生活圏から長期に亘り放射性物質を封じ込める方法です。放射性廃棄物処分の問題は、先進国を始め、多くの国が抱える共通の課題であることから、各国とも、国際会議や共同研究などを通じて連携した取り組みが展開されています。私たちは、人工バリアを中心に、緩衝材の特性や長期挙動など、処分場の設計や安全評価に関わる様々な研究を行っています。

処分場の設計や安全評価に関する研究

高レベル放射性廃棄物の地層処分における処分場の設計や安全評価に関する研究を行っています

ベントナイトの膨潤(膨れること)について熱力学モデル

緩衝材の主成分であるベントナイトの膨潤(膨れること)について熱力学モデルに関する研究を行っています(左:ベントナイトの膨潤の原理、右:ベントナイトの膨潤の実験例)

環境中での放射性物質の動態挙動、放射線の遮蔽、空間線量率、被曝線量などの解析評価

2011年3月に発生した東日本大震災により東京電力福島第一原子力発電所事故が発生し、原子炉内の放射性物質の一部が大気中に放出され、風によって運搬された後、雨などにより土壌や森林などに沈着することで周辺環境を汚染しました。放射性物質は時間と共に減衰する性質もありますが、それと並行して、地形や土地の利用状況、気象条件などの影響を受けて地中や水平方向に移動することも考えられます。移動に伴って放射性物質と空間線量率の再分布も発生する懸念があります。私たちは、現在、空間線量率を支配している放射性セシウムの地中への移動と移動に伴う土壌による放射線の遮蔽効果、空間線量率や被曝線量を解析するためのツールや、汚染した原子力施設内のコンクリート中の放射性物質の移動と放射線の遮蔽効果、除染した場合の効果を解析評価するためのツールなど、環境動態や放射線安全に関わる研究に取り組んでいます。

福島原発事故によって汚染された環境中での空間線量率

福島原発事故によって汚染された環境中での空間線量率の解析例(左上:浪江町赤宇木塩浸、右下:浪江町赤宇木椚平)

除染までの期間に対する切削深さと放射線の遮蔽割合

表面が汚染したコンクリート壁を切削により除染する場合の、除染までの期間に対する切削深さと放射線の遮蔽割合との関係の解析例(10年後では6mmの切削でほぼ全て除染できる)

研究室の一覧はこちら