/ Research

生産知能学
ー不確定要素を含むシステムを最適に管理するー

トップページ   研究室   生産知能学ー 不確定要素を含むシステムを最適に管理する ー

研究メンバー

教授  有薗 育生 (Ikuo Arizono)
准教授 柳川 佳也 (Yoshinari Yanagawa)

研究室紹介ページ(機械システム系1,2年生限定)

システムを知的に管理するための数理モデルの開発と応用

本研究室は経営工学を学問的基盤とし、システムの設計や運用に関して、最適な計画を構築するための各種技法の開発について研究しています。一般に、生産システムをはじめとして、システムそのもの、またシステムを取り巻く環境には不確定要素が含まれます。このような不確定要素を数理的に取り扱う方法として、確率・統計学が存在します。また、システムの最適化手法に関する学問分野として、オペレーションズ・リサーチ(OR)が存在します。オペレーションズ・リサーチでは確率・統計学を含む各種の数理的手法、あるいは AI 技術を含むコンピュータサイエンスにおける方法などを駆使して、システムの最適化を図っています。本研究室では、主として図1にあるような領域について研究しています。
たとえば図2に示すような生産システムを考えた場合、市場における各種情報に基づき、何をいつどれくらい製造・販売するべきかを意思決定する必要があります。さらにこの意思決定に基づき、各種の計画を立案し、これらを具体的に遂行していくことが求められます。このとき、効率的に、また最適に計画を遂行するためにはシステムでのモノや情報の管理、コントロールが必要になってきます。

図1:研究領域

図1:研究領域

図2:生産システムにおける各種の課題

図2:生産システムにおける各種の課題

「待ち」発生のメカニズムの解析(待ち行列理論)

システムにおいてはモノや情報など、様々な「待ち」が発生します。「待ち」、すなわち滞留はシステムの運用における効率に直接影響を及ぼします。そこで、このような「待ち」の発生のメカニズムを数理モデルとして構築し、この数理モデルを解析することで「待ち」の発生メカニズムを数理的に扱う学問領域に「待ち行列理論」が存在します。たとえば、すでに多くの待ちが発生しているシステムにあなたが到着したとします。しかし、あなたは多くの待ちに逡巡し、結局待ちに加わることなく、システムから離れるかもしれません。このような現象を「balking」と呼びます。この balking 現象を解析するための数理モデルとして、「統計力学」と呼ばれる理論概念に基づき、新しいモデルを開発しています。

具体的に,balking 現象を考慮した統計力学的数理モデルのひとつとして

認知的バイアスとヒューマンエラー,事故の関係性の分析

を構築しています。この統計力学的待ち行列解析モデルをラグランジュの未定乗数法と呼ばれる方法で解析することにより、システムの定常状態を解析することができます。ここで、Pn はこのシステムにおいて滞留しているモノあるいは情報の数がnである確率であり、ω1,ω2ラグランジュ乗数とよばれる未定の定数です。HP でのスペース制約から解析の詳細は省きますが、興味のある方は Protected article ですがhttps://doi.org/10.11221/jima.71.76 をご覧ください。

学習に基づくスケジューリングルールの導出(日程計画)

ある条件の下で幾つかの作業を行う場合、作業を実行する以前に計画を立ててから行うことが一般的です。しかし、計画を立ててから作業を実行するまでの間に元の条件が変化するイベントが生じることも多く、その場合イベント発生時点で、計画を再度立て直す必要が生じます。例えば1人がわずか15個の作業を順番に処理することを考えた場合、その処理順番の総数は15!通りになりますが、15!=1,307,674,368,000 であり、適切な処理順番を求めるには現時点では長い計算時間を要します.その様な計算を省いて使用に耐える作業順序を,事前に集めたデータを学習することで、幾つかのルールを組み合せて求める研究をしています。
例えば左下の初期ルールに対し、テストデータを使って更新した結果獲得した右下のルールに従う事で、一般的に使用されているルールより良好なルールを得ることができます。

初期ルール群

初期ルール群
獲得したルール群

獲得したルール群

配達作業を効率化する積み付け法(箱詰め問題)

箱詰め問題は限られたスペースをいかに有効に使うかという良く知られた問題ですが、宅配における配達作業では、荷物をどのように積み付けるかによって、積み下ろし時の手数が大きく変わることが知られています。人による積み付け作業では経験の有無で結果が大きく異なるので、コンピュータによる積み付け案の提示が期待されていますが、小型の宅配車は荷物の取り出し口も2方向あるため問題は複雑であり、未熟な作業者が一般的な箱詰めルールで積み付けると、荷物スペース内に荷物が収まらなくなる場合が頻繁に生じます。そこで、荷物の位置関係を有向グラフを用いて表すことで荷物スペース内に荷物を積み付けて、積み下ろし手數をも削減する研究を行っています。

DBL法により積み付けた結果

DBL法により積み付けた結果。荷物スペース内に収まりきらず、配送に適さない結果となった図。

荷物の位置関係を有向グラフで表す

荷物の位置関係を有向グラフで表し、グラフを変更することで荷物スペースの制約と積み下ろし手数とを考慮した積み付けにより、スペース内へ積み付けることができた図。

研究室の一覧はこちら