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メカトロニクスシステム学
-移動ロボットによる人の支援-

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研究メンバー

教授(特任) 渡辺 桂吾 (Keigo Watanabe)
准教授   芝軒 太郎 (Taro Shibanoki)
助教    永井 伊作 (Isaku Nagai)
研究室Webサイト:https://www.okayama-u.ac.jp/user/mechatro/
研究室紹介ページ(機械システム系1,2年生限定)

研究内容

人の活動を多面的に支援できるロボットシステムの実現を目指して、各種移動ロボットやそのセンシングと制御および応用開発に取り組んでいます。具体的には、向きが変わるロータを持ち様々な運動が可能なドローン、ロータが故障しても残ったロータを活かして機体の墜落を回避しつつ作業タスクやミッションを達成する制御方法、胸びれを動かして進む魚型の水中ロボット、特殊な車輪を用いずに全方向移動できるロボット車、特別な環境を整えなくてもすぐに使える無人搬送車、立ち乗り型の電動パーソナルモビリティなどを研究しています。

飛行ロボットの開発と制御

インフラ点検で特殊姿勢をとったり、人輸送ドローンではできるだけ前方姿勢を傾けない飛行を取ったりする用途に対して、可変チルトロータ機構を持つタンデムロータ、トリコプタ、クワッドロータの研究を行っています。このロータの可変チルト化によって、3次元空間での任意推力方向とモーメントを発生することで、いわゆる全駆動型(あるいは、全方向型)のドローンの実現を研究し、地上走行、空中飛行および壁面移動が可能な多機能ドローンの研究開発を目指しています。同時にロータの高効率化や耐故障性などの点で2重反転ロータ機構の導入も研究しています。また、マルチロータ機構において、幾つかのロータが故障した際のフォールトトーレラント制御において、最適評価関数の導入による再制御系設計や構造可制御性の導入による再制御系構築の可否の検討も、ヘキサコプタ、オクトコプタ、さらにロータ数が10以上のポリゴコプタの場合に行っています。

クワッドロータ

クワッドロータ

ヘキサコプタ

ヘキサコプタ

オクトコプタ

オクトコプタ

水中ロボットの開発と制御

従来の空中でのクワッドロータの推力面をz方向から、水中での進行であるx方向に適用するX4-AUVを提案してきました。空中でのロータの可変チルト化と同様に、水中でのスラスタの可変チルト化により、水中での(潮流などによる)外乱に強い運動を可能するための可変チルトスラスタ機構を有するX4-AUVの研究を行っています。さらに、スラスタ機構とは異なる、いわゆる胸びれ推進機構を有するマンタ型水中ロボットを研究しています。このマンタ型水中ロボットの改良型として左右前後にも移動可能な「円盤型胸びれ水中ロボット」の機構設計と構築、ピッチ運動の少ない姿勢制御やオプティカルフローによる位置計測方法などの研究を行っています。

X4-AUV

X4-AUV

マンタ型水中ロボット

マンタ型水中ロボット

円盤型胸びれ水中ロボット

円盤型胸びれ水中ロボット

移動面画像処理に基づく自己位置推定

無人搬送車(AGV)は様々な工場や倉庫で利用されていますが、それを支える技術は自己位置推定です。このために各種のセンサや手法があるのですが、LiDARを用いる手法には周辺固定物が移動すると位置誤差が生じる問題、前方カメラを用いる手法には周辺風景や外光条件の違いで計測性能が低下する問題があります。ラインやランドマークが整備された環境を用いる誘導方法もありますが、導入に手間と費用がかかる上、経路の変更が困難です。 こうした従来手法の問題を解決するため、車両直下の移動面を視覚追跡するビジュアルオドメトリを研究しています。この方法は移動体の内部に搭載したカメラを用いて移動面が持つ自然な模様の動きを独自の画像処理アルゴリズムで検出し、移動体の軌跡推定、経路記憶および位置誤差修正を行います。この方法には、環境整備が不要、路面以外の周辺環境への依存がない、内部照明を持たせているため外光に影響されない、片道経路を1回教示走行するだけで経路が簡単に設定できる、経路の変更・追加が容易、利用可否が路面の種類のみで判定できる、センサはカメラ1台で製造コストが小さい、通信なしで複数台の衝突のない移動を実現できる、などの特長があります。また、ソフトウェアの様々な高速化技法を用いて近年のスマートフォンやARMボードコンピュータでも動作します.こうした手法に基づく移動ロボットやAGVの試作機を開発しています。

カメラで移動面を撮影する内部構造

カメラで移動面を撮影する内部構造

無人搬送車の試作機

無人搬送車の試作機

移動面の模様を用いて位置推定を行うスマートフォンサイズの移動ロボット

移動面の模様を用いて位置推定を行うスマートフォンサイズの移動ロボット

PMVの試作機

PMVの試作機

一輪駆動型のパーソナルモビリティビークル

環境負荷が小さく、公共交通機関との連携もできる新たな交通システムとしてパーソナルモビリティビークル(PMV)と呼ばれる電動小型移動機器が注目されています。有名なものにSegway (セグウェイ)、Winglet(トヨタ)、UNI-CUB(ホンダ)がありますが、いずれも高度な姿勢制御を採用しており高価です。また、道路交通法の制約で公道では使用できない設計になっています。そこで、安価に製作できる一輪駆動型PMVを研究開発しています。自転車のように使用者が練習を重ねることで乗りこなせるようになっていく楽しさを残すため、姿勢制御はあえて行っていません。とはいっても、乗るのは自転車ほど難しくありません。また、スマートフォンを持ったままでも乗れるように、速度の増減操作は片手で行えます。一輪駆動にもかかわらず右左折の操舵を可能とするために、スケートボードのトラック機構と2つの補助輪を使用します。モータの回転数を検出して6km/h以上は出せないよう制御されるため、道路交通法上は歩行補助車として公道でも使用できます。この新しいPMVによって屋内と屋外で乗り換える必要のないシームレスな移動を実現することが目標です。 このほか、操舵付きアクティブ単輪キャスタ機構を用いた全方向プラットフォームのモデル化と冗長駆動系としての制御方法の研究も行っています。

生体信号を用いた肢体不自由者の生活支援と医用システム

 事故や病気などで身体の機能を失われた肢体不自由者にとって,自立して生活を行うための支援は必要不可欠です.肢体不自由者が自立して生活を営むことを考えると,1.身の回りの機器の制御や2.移動について考慮しなければなりませんが,例えば腕を失った上肢切断者や体を動かすことが困難な重度肢体不自由者にとって,機器を制御するためのボタンを押すことなどは困難です.
 このような問題に対し,生体信号と呼ばれる人体から計測できる信号を用いて機器の制御が可能なシステムをさまざま提案しており,筋収縮に応じて発生する筋電位を用いて操作可能な3Dプリンタブル義手型ロボットや,音声・脳波信号を用いて身体動作を伴わずに制御する環境制御装置などを提案しています.これらシステムではニューラルネットと呼ばれる人工知能を用いて使用者の動作意図を学習して随意的な制御を実現しています. また,使用者の操作スキルによってはこれら機器を取り扱うことは難しい場合があるため,使用者の能力を学習して能力に合わせたシステムの操作訓練を実現するためのVRリハビリシステムを合わせて提案しています.
 さらに,生体信号制御型移動ロボットを提案しており,環境制御から移動のサポートまでを一貫して実施可能としています.移動ロボットでは,距離センサと動画像処理により,ロボット周囲に仮想的なバリアを生成することで操作者が特に意図することなく衝突を開始したり,混雑した場所を自然に移動したりすることができます.  この他,生体信号の処理技術を応用した病症の診断支援システム等の研究も行っています.

 

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